Characters
主要な登場キャラクターは以下の通りです。
ラニャーマ=ゼラギア
主人公。新進気鋭の魔道士。学術都市エルサムガスク出身、ホビット族の若者。
先の大戦で両親を失ったことが原因で、やや刺々しい言動が目立つ。
「エルサムガスクに忍び寄る魔の手を跳ねのけられるほどの偉大な魔道士にわたしはならなければならない」という大義名分のもと、イグレスラッド島に渡り、ラドゥイアゴスに師事を乞うのだが……?
黄金の王ラドゥイアゴス
西のエルフの偏屈な長老。比類なき最強の魔道士として知られている。そして「黄金よりも尊き王」との異名を持つ存在。
輝かしく勇ましい異名とは裏腹に、本人はとてつもない根暗で、金銀宝飾への関心は皆無、物欲も無く、他者への興味も無い。
用意周到な周囲の者達によって外堀を埋められてしまったため、仕方なくラニャーマを受け容れる。
花木の王妃ルゼルアンド
西のエルフの温和な長老。ラドゥイアゴスと番いをなす存在。樹木や植物に精通しており、そこから転じて「花木の王妃」とも呼ばれている。
暖かな木漏れ日のような微笑みを浮かべるその裏で、劇薬や猛毒の開発に日夜勤しんでいるという怪しさ満点な顔を隠し持つ。
ラニャーマを快く迎え入れる彼女だが、その真の目的は?
ジズヴァル=ハッド
遊牧ホビットのとある氏族出身の青年。マナ鉱石から作られた穂先を持つ槍を振るう槍遣い。
用心棒として霧開き商会に雇われており、隊商に同行して各地に赴いている。
ざっくばらんでこざっぱりとした性格の持ち主で、誤解を招きやすい言動が目立つ。
西のエルフとは奇妙な縁で結ばれているとのことだが……?
野衾のメサキナ
辰砂殿からイグレスラッド王宮へと派遣されてきた東のエルフ。中堅世代のエルフのひとり。
自己主張が強めな性格をしている。そして「戦闘狂」と名高い好戦派。とにもかくにもクセが強い。
ラドゥイアゴス宛の書簡を携えてイグレスラッド王宮に向かったのだが、その道中でトラブルに巻き込まれる羽目に……。
箆鹿のヨルドム
ラッシェムア城からイグレスラッド王宮へと派遣されてきた北のエルフ。若い世代のエルフのひとり。
かなり臆病な小心者であり、血を見るのが苦手。狩りを嫌悪しており、厳格な菜食主義を徹底している。
ラドゥイアゴスに書状を届けるだけの簡単な任務のはずが、とんでもないことに巻き込まれ……?
疾風のゲルトダラス
西のエルフ。最も古い世代のエルフのひとり。ラドゥイアゴスの侍従である。
風の魔法を得意としており、付いたあだ名は「疾風のゲルトダラス」。その昔は、風の魔法に由来する素早さを活かして伝令役として活躍していた。東奔西走の日々を送っていたという。
現在はラドゥイアゴスらと共にイグレスラッド島に隠遁している。
鉄仙のヘザトワンド
西のエルフ。最も古い世代のエルフのひとり。ルゼルアンドの侍従である。
弓矢や罠を用いる古典的な狩猟法の達人であり、その分野において彼女の右に出る者はいないとされている。
現在はイグレスラッド王宮の料理番という立ち位置に収まっているが、腕前は最悪。彼女はそもそも食に興味が無く、向上心も特段ない様子。
海葱のディーラン
西のエルフ。若い世代のエルフのひとり。ヘザトワンドの娘。
霧開き商会の一員として活動していた時期もあったが、現在、彼女は商会を離れている。彼女は現在、イグレスラッド島とユーゴルドキア大陸を結ぶ連絡船を取り仕切る立場に就いている。
曰く、島との往来を厳密に管理しなければならない深刻な事情があるようで……?
仕立て屋フロイダナス
西のエルフ。最も古い世代のエルフのひとり。西の主要都市ドファボーラに在住。
表向きはただの仕立て屋だが、その正体は「ラドゥイアゴスの代理者」である。
島に隠遁した面々の代わりに、現在は西の民たちの面倒を看ているとのこと。
今は穏やかな紳士でしかない彼であるが、大昔はそうでもなかったようで……?
陰薊のハーファスザル
イグレスラッド島に唯一現存している集落オールフキナンフ村に住む若者。
好奇心旺盛な性格で、外からやってくるものに興味津々。大陸からの連絡船が島に着船するたびに港へと足を運んでいる。
また、イグレスラッド王宮の面々とも仲良くしたいと考えているようだが、彼らから強く拒絶されている模様。
「神さま」
正体不明の謎の存在。ある土地では信仰の対象とされていたとか、なんとか……。
その特徴から古代人だと推察されていたが当人曰く違うとのこと。しかし当人の記憶が曖昧であることから真偽は不明。
マナ喰みという現象に身体を侵されていたため、長きにわたって静止したかのように眠り続けていた。
元司書官ハリサヤズド
西のエルフ。最も古い世代のエルフのひとり。西の主要都市ドファボーラに在住。
夫のフロイダナスと共に仕立て屋を営んでいる。
卓越した魔道士の一人であり、防御魔法の分野における耆宿として知られている。
一見、鷹揚な淑女に見える彼女であるが、その正体と本心は……?
白猫パヌイ
謎多き生物。喋る猫のような何か。背中に大きな白い翼を持っている。
偉ぶった態度でニャーニャーと喋り続ける兎にも角にもうるさい猫。
いつからかイグレスラッド王宮に住み着くようになり、今に至っている。
この猫もどきは、始のエルフらよりも年上とのことだが……。
猫好きの紳士
彼に会うにはどうしたらいいのかって?
まずはジズヴァルと友達になるところから始めてみよう。
炎の王子ギズルゼンス
南のエルフの長老ガゼルゼンスの息子。中堅世代のエルフのひとり。
そんな彼は高貴な身分にありながらも、自ら行商「霧開き商会」を率いて船で海を渡っている。公正公平がモットー。
最も有名な南のエルフが彼なのだが、彼が「南のエルフらしい存在」かといえば……実のところ、そうでもない。
風の王女シルギザンド
東のエルフの長老イグリザンドの娘。中堅世代のエルフのひとり。
「風の王女」または「エールケディスの旅人」という異名を持つ。
風のようにひとつの場所に長くは留まらない存在であり、呼ばれた場所に赴き、気が向くままに赴く、それがシルギザンドである。
公国議長ルーザク
学術都市エルサムガスク議会、現議長。エルサムガスク公国の最高指導者。
ラニャーマの育ての親であり、魔法の基礎を叩きこんだ師匠でもある。
賢明で堅実な指導者として公国民から支持を集める一方、外の者たちからはよく思われていない。特に南のエルフはルーザクを「蝙蝠のような存在」と評している。